はい、そんな訳で今回お客様の依頼でジョイクラフトのインフレータブルボート
グランド315Wに9.8馬力のエンジンを乗せ船舶検査を通したいとの事でお話を頂きました。
ただ、購入時には低馬力での使用を考えていた為予備検査はないとの事で今回は予備検査なしの船を色々な検査をへて船舶検査を通すことのなりました。
ゴムボートの船舶検査をお考えの方に用意する物や工程などをお教えします。
・必要法定備品
まずは法廷備品を揃えましょう。
今回紹介するの3m未満の沿海区域で船舶検査を受ける一例です。
船の大きさや夜間も出れるようにするかとか希望する航行区域によって変わってきます。
品名 | 数 | 備考 |
係船索 (ロープ) | 2本 | |
アンカー | 1個 | マッシュルーム形などで重さに制限はない。 |
アンカーロープ | 1本 | |
ライフジャケット | 定員と同数 | JCI認定の桜マーク入りに限る |
小型船舶用救命浮環 | 1個 | |
小型船舶用信号紅炎 | 1セット | 航行区域が海岸から5海里以内の場合携帯電話でもOK |
消火用赤バケツ | 1個 | |
あかくみ | 1個 | 消火用赤バケツと兼用可 |
笛 | 1個 | ライジャケに付いているのとは別に1個 |
黒球 | 1個 | |
工具ドライバ(+・-)レンチ、プライヤー、プラグレンチ | 1式 | |
足踏みふいご | 1個 | フットポンプ |
これに船舶検査が通った時に船舶番号がのステッカーが発行されますので
それを貼り付ける為のライセンスプレートもご用意ください。
法定備品が揃ったら次は書類作成です。
・申請書類・提出物
まずは船舶検査申請書を作成します。
上記はグランド315Wでの記入例になります。
今回のグランド315Wは3m未満の船にあたる為、小型船舶登録制度対象外となり新規登録申請は不要となります。
船舶検査費用(船の大きさにより異なります。)と臨時航行検査費用(4,950円)を振り込んだ振替払込受付証明書や振込金受取書を船舶検査申請書と一緒に日本小型船舶検査機構の最寄りの支部に郵送しましょう。
申請書などは日本小型船舶検査機構のホームページからプリントできます。
・船体の測定、検査
船体の測定、検査は予約した日本小型船舶検査機構の各支部に持ち込んでの検査となります。
栃木、群馬、埼玉は東京と一緒になるので今回は東京支部への持ち込みとなりました。
支部にも窓口が有り申請書などが揃っていました。
まぁインターネットでダウンロードできるので現地で記入する方も少ないとは思いますが。
ここで実際にインフレータブルボートを膨らませ測定、検査となります。
検査項目が下記になります。
① | 主要寸法等の確認 | 全気室を設計圧力で膨脹させた状態において、主要寸法を計測・確認します。また、気室の数及び容積、床面積等を計測します。 |
② | 気密試験 | 全ての気室に設計圧力の1.25倍の圧力で3時間保持した後、当該圧力の減少が10%以内であることを確認します。 |
③ | 過圧試験 | 気室の各区画ごとに設計圧力の1.5倍の圧力で30分間膨脹させた後、異常がないことを確認します。 |
④ | 【つかみ索・手かけの強度確認】 | 膨脹式ボートの周囲に取り付けられたつかみ索又は手かけに、790N(80kgf)の荷重をかけ、当該荷重に耐えうる強度を有していることを確認します。 |
⑤ | 【曳航用リングの強度確認】 | 船首部に取り付けられた曳航用リングは、船体重量相当の荷重に耐えうる強度を有していることを確認します。 |
①主要寸法等の確認 小型船舶検査機構の方がメーカーの構造データを見ながら寸法を測り違いが無いかをチェックしていきます。
②空気を通常設定圧力の1.25倍入れ3時間そのまま置いといて減少が10%以内かをチェックするので
空気を入れてから3時間後再訪問となります。
この検査でプレッシャーゲージという圧を計る器具が必要となりますので支部によっては無いようなので自身で用意しましょう。
空気を入れるバルブに取り付ける圧力計です。
③さらに設定圧力の1.5倍まで空気を入れ30分膨張させ異常が無いかをチェック。
購入から数年経った船がこの検査で破れた事があるそうです。
④手かけの強度確認という事で80kgの重りを吊り下げ破損しないかを検査。
もし落水者が出た時に手かけを掴んで上がってくるのにちゃんと耐えてくれるかチェック。
⑤曳航用リングの強度確認って事で吊るしの刑にあいます。
この検査を受ける時に法廷備品や申請したエンジンの型番などもチェックがありますので忘れずに持っていきましょう。
ここまで問題なく済めば一日目の検査は終了です!
検査終了後、臨時航行許可所証が発行されます。
これで許可が出た航路のみ船を走らせる事が出来る様になりました。
この後は実際に船を走らせる耐久テスト1日と実際に検査員と同船で
走らせながらの検査1日があります。
続きは次ぎのブログで・・・